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昨日の投稿で「互いに素という前提は,(2) の証明では不要」と書きました.その証明の骨子を記します.
見た目より「単純」です.多くの方に確認していただけると有り難いです.
p=2^{n}-1 とおく.性質P(k,n)を持つ数列 a_{1},a_{2},...,a_{n} は(ハ)を満たすので,
2a_{m}-a{m+k}=pl_{m} (1≦m≦n-k), 2a_{m}-a_{m+k-n}=pl_{m} (n-k+1≦m≦n) (l_{m} は整数)
と表される.この数列が(ロ)を満たすことに着目し,l_{m} を評価すると,
前者については l_{m}=0, 後者については l_{m}=1 となることが分かる.
(肝心なところですが,過程を省略します.)
つまり,a_{1},a_{2},...,a_{n} は,
2a_{m}-a{m+k}=0 (1≦m≦n-k), 2a_{m}-a_{m+k-n}=p (n-k+1≦m≦n) , ・・・(*)
即ち 2a_{m}=a{m+k} (1≦m≦n-k), 2a_{m}=a_{m+k-n}+p (n-k+1≦m≦n) ・・・(**)
を満たす.(これらn個の等式を順に縦に並べると,左辺には a_{1},a_{2},...,a_{n} が,
右辺には a_{k+1},...,a_{n},a_{1},...,a_{k} がこの順に現れます.)
b_{m}=a{m+1}-a_{m} (1≦m≦n-1) とおいて数列 {b_m} を定める.(ロ)により,{b_m} の各項は正整数である.
(**) により,m≠k ならば b_{m}=2b_{i} なる i が存在するので,{b_m} の各項を小さい順に並べてできる数列は
「初項 b_{k}=a_{k+1}-a_{k}, 公比 2 の等比数列」になる.(ここも推論過程を省略しています.) だから,
a_{n}=a_{1}+b_{k}(2^{n-1}-1).
ここで,2a_{1}=a_{k+1}>0 により a_{1}≧1 であるから,もし b_{k}≧2 とすると
a_{n}≧1+2(2^{n-1}-1)=2^{n}-1
となってしまう.したがって,
b_{k}=1, 即ち a_{k+1}-a{k}=1.
性質 P(k,n) を持つ数列の存在は,上記の連立方程式(*)の解の性質に帰着します.
これについては,後日,記したいと思います.
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