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2次体の整数論3:イデアルの積の計算

 投稿者:かたつむり  投稿日:2017年 2月 5日(日)19時01分23秒
  通報 編集済
  1月30日(月)の投稿の〈p.280 [問題3] の方法だけを使う〉の部分の記述に不備がありました.まず
  A^2=(3,-1+√(-65))(3,-1+√(-65))=(9,-3+3√(-65),-64-2√(-65))
     =[9,-3+3√(-65),-64-2√(-65),9√(-65),(-3+3√(-65))√(-65),(-1-2√(-65))√(-65)]
とするべきでした.先の私の計算で正しい結果が得られた(得られてしまった!)のは,下記の【命題3】によります.

この機会に,イデアルの積を具体的に計算するときに拠り所となる命題を整理しておきます.
以下,2次体Q(√(m))について,[1,ω] を整数環の底とします.『初等整数論講義』の関連する問題を付記しました.

【命題1】p.280 [問題1],[問題3].
(α_1,α_2,...,α_k)=[α_1,α_2,...,α_k, ωα_1,ωα_2,...,ωα_k].

【命題2】p.280 [問題3].
kを任意の有理整数とする.
  [α,β,...,γ]=[α,β+kα,...,γ],  [α,β,...,γ]=[-α,β,...,γ].

【命題3】p.280 [問題1],[問題3].
イデアルI=[a,r+ω], J=[b,s+ω] について,IJ=[ab,b(r+ω),a(s+ω),(r+ω)(s+ω)].

(証明)IJ=(ab,b(r+ω),a(s+ω),(r+ω)(s+ω))
          =[ab,b(r+ω),a(s+ω),(r+ω)(s+ω),abω,b(r+ω)ω,a(s+ω)ω,(r+ω)(s+ω)ω]. ・・・(*)
ここで,[a,r+ω] がイデアルを成すことにより,
    aω=ia+j(r+ω), (r+ω)ω=ka+l(r+ω)   (i,j,k,l は有理整数)
と表されるので,(*) の5,6番目は
    abω=iab+jb(r+ω), b(r+ω)ω=kab+lb(r+ω)
のように,(*) の1~4番目の有理整数倍の和で表される.(*) の7,8番目についても「同様」であるから,
    IJ=[ab,b(r+ω),a(s+ω),(r+ω)(s+ω)].

【命題4】p.326 [問題1].
イデアル J=[a_1 a_2,r+ω] に対し,[a_1,r+ω], [a_2,r+ω] はイデアルを成し,それぞれを J_1, J_2 とすると,
   J_1 J_2=J
が成り立つ.

【命題5】p.326 [問題2].
イデアル J_1=[a_1,r_1+ω], J_2=[a_2,r_2+ω] において a_1,a_2 が互いに素であるとき,
   r≡r_1 (mod a_1),  r≡r_2 (mod a_2)
なる r が存在し,
   J_1 J_2=[a_1,r+ω][a_2,r+ω]=[a_1 a_2,r+ω]
となる.
 
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