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2次体の整数論2

 投稿者:かたつむり  投稿日:2017年 1月30日(月)10時36分48秒
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  p.280 [問題3], p.326 [問題2] の他に  p.326 [問題1] も生かせます.

標準基底で表された2つのイデアルの積を求める(標準基底で表す)には,原理的には
p.280 [問題3] の方法を使うだけで済みますが,p.326 [問題1],[問題2] を適宜用いると
よりスムーズに進められます.p.335 の A=[3,-1+√(-65)] から A^2 を求める部分を例示します.

〈p.280 [問題3] の方法だけを使う〉
  A^2=[3,-1+√(-65)][3,-1+√(-65)]=[9,-3+3√(-65),-64-2√(-65)]=[9,-3+3√(-65),-1-2√(-65)]
     =[9,-3+3√(-65),-1-2√(-65)+(-3+3√(-65))]=[9,-3+3√(-65),-4+√(-65)]
     =[9,-3+3√(-65)-3(-4+√(-65)),-4+√(-65)]=[9,9,-4+√(-65)]
     =[9,-4+√(-65)].

〈p.326 [問題1] を生かす〉
  A=[3,-1+√(-65)]=[3,-4+√(-65)] であることに注意する.
 [3^2,-4+√(-65)] はイデアルを成す(∵ N(-4+√(-65))=81 は 3^2 の倍数)ので,
 p.326 [問題1] の[解] の記述により,[3^2,-4+√(-65)]=A^2.

A^4 についても2通りの方法でやってみると良いでしょう.
 A^4=[81,-4+√(-65)]
となります.ここで,81=(-4+√(-65))(-4-√(-65)) であるので,
 A^4=(81,-4+√(-65))=(-4+√(-65)) ~ (1)
となります.[,] と (,) の使い分けは p.279 にある通りです.
前者は「Z加群」,後者は「R加群」(R は2次体の整数環とする)としての表現です.
一般に [α,β,...,γ]⊂(α,β,...,γ) ですが,[α,β,...,γ] がイデアルをなす場合には
  [α,β,...,γ]=(α,β,...,γ)
が成り立ちます.

【追記】上記で〈p.280 [問題3] の方法だけを使う〉と書きましたが,結局,
自由加群の「生成系」の取り替えです.行列の(行)基本変形と同様の操作を行っています.

【追記2】定理5.16(とp.289-p.292の記述)を踏まえて,2次体 Q(√(-65))における有理素数 3,2 の分解
という観点から,イデアル A=[3,-1+√(-65)], B=[2,-1+√(-65)] を捉え直しておくと良いと思います.
つまり,A, B の存在を知らないものとして,(3), (2) を素イデアル分解してみようということです.

 
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